3年ぶりのヌーバレー 金城実倫(南部報道グループ)


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written by 金城実倫(南部報道グループ)

 「3年ぶりに舞台に立てた」―。今年の夏は取材相手から「3年ぶり」という言葉をよく耳にした。南城市知念知名のヌーバレーも「3年ぶり」の舞台公演だった。区民にとって念願の開催。演じる若者たちも観客も、久しぶりの舞台に目を輝かせた。私にとっても、担当記者として初めての取材だったので、とてもわくわくした。

 前任や歴代の担当記者から「ヌーバレーはすごいから絶対に見た方がいい」と言われ、取材をしたくてたまらなかったが、新型コロナウイルス禍で2年連続で舞台の公演は中止となった。この夏も新型コロナの感染が拡大し、厳しいかと恐る恐る関係者に連絡すると「金城さん、今年は舞台もやるからぜひ取材しに来て」と言われて、うれしかった。

 演者の数やプログラム数を減らすなど、例年とは異なる公演だったというが、迫力のある「胡蝶の舞」や「仲里節」など初めて華やかな舞台を見ることができ、とても感動した。10日に亡くなった照喜名朝一さんのおい・照喜名進さん、智さんたちの地謡の歌三線にも酔いしれた。

 10月には「3年ぶり」の与那原大綱曳が開催される。コロナ禍の中、人々が工夫を凝らしながら伝統をつなぐ姿を取材し、記録していきたい。

(南城市、与那原町、座間味村、渡嘉敷村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。