「うむい獅子」 文化庁映画賞で優秀賞 沖縄の風土と人情描く


社会
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映画「うむい獅子」の一場面 (海燕社提供)

 文化庁は20日、優れたドキュメンタリー映画を表彰する2022年度文化庁映画賞の選考結果を発表した。大賞に「私だけ聴こえる」(松井至監督)、優秀賞に「うむい獅子―仲宗根正廣の獅子づくり―」(城間あさみ監督)を選んだ。映画功労部門に、安彦良和氏ら6人の受賞が決まった。

 「うむい獅子―」は、仏像彫刻師で獅子工の仲宗根さんが、沖縄県八重瀬町志多伯の獅子頭を作り上げるまでの工程を人々の獅子への思いと共に映像化した。選考委員は「うむい獅子―」が、仲宗根氏の手業だけでなく、獅子のコミュニティーにおけるありさまや取り巻く人間模様を通し、獅子舞の風習を丁寧に描いている点をたたえた。その上で「沖縄の人々の獅子に対する溢(あふ)れる思いが昇華して、風土、文化、人情が薫ってくる快作」と評した。

 10月24日に贈呈式、同30日に受賞記念上映会が東京都内で開かれる。
 (藤村謙吾)