沖縄、梅毒感染が最多ペース 22年9月時点、81人感染で過去2番目の多さ


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 沖縄県感染症情報センターは、2022年の県内の梅毒感染者数が過去2番目の多さとなる81人(9月11日時点、速報値)に上ったと21日までに発表した。過去最多は21年の93人(暫定値)。21年は11月時点で77人にとどまっており、今年は最多を更新するペースとなっている。現在の調査方法は1999年から始まった。

 梅毒は保健所や皮膚科、婦人科、泌尿器科などで検査ができる。だが県内では那覇市保健所を除く各保健所が新型コロナウイルス感染症対応のため長期にわたって検査を休止している。中部保健所は10月4日から梅毒とHIVの検査を再開する予定だが、コロナ禍前の検査水準には達しておらず、実際の感染者数はさらに多い可能性がある。

 梅毒の主な感染経路は性的接触といわれている。梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、感染初期では体にしこりや発疹ができる。服薬で完治が可能だが繰り返し感染する。無自覚のまま症状が進行することもあり、脳や心血管に合併症が出る危険がある。妊婦が感染すると流産や死産となるほか胎児が感染し異常につながる「先天梅毒」となることもある。(嶋岡すみれ)