せやろがいおじさん+サク・ヤナガワがスタンダップコメディーショー 笑いで日米の闇えぐる


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観客から意外な質問を受けてやり取りをするサク・ヤナガワ(左)と榎森耕助=那覇文化芸術劇場なはーと

 お笑い芸人のせやろがいおじさん(榎森耕助)とアメリカで活躍するSaku Yanagawa(サク・ヤナガワ)によるスタンダップコメディーショー「Top of the 1st!」がこのほど、那覇文化芸術劇場なはーとで開かれた。2人は笑いの要素をちりばめながら日米が抱える現代の闇をえぐるような切り口鋭いトークを繰り広げ、会場は感嘆の声と笑いに包まれた。

 シカゴを拠点に年間400本のステージに立つサクは昨年、米フォーブス誌が選ぶ「世界を変える30歳以下の30人」に選出されている。新型コロナがはやり始めた時期に客席から「ヘイ! コロナ」とアジア人を理由にやじられた際に「この差別主義者にコロナビールを5本持ってきてくれ。支払いはメキシコだ」と返して喝采を浴びた。トランプ大統領が移民問題でメキシコとの国境に壁を作り、費用をメキシコに持たせようとしていたからだ。

 サクは米国の銃乱射や中絶の権利が失われる問題にも触れ、「スタンダップコメディーでちょっとだけ世界を豊かにできたらいいな」と願った。

 榎森は辺野古新基地建設の際に政府が繰り返す「丁寧に説明する」について「すでに埋め立て工事をしながら説明って言うのは、ワクチン注射を打ちながらワクチンの説明をするようなもの」と語った。

 「1回の表」を表すタイトルで、2人の出身地奈良を含む全国11カ所で14公演を開催した。公演はオンライン配信で10月14日まで有料販売している。

(関戸塩)