安倍晋三元首相の国葬儀(国葬)が27日に行われるのを前に、琉球新報は県選出・関係国会議員10人に国葬についての考えを聞いた。島尻安伊子衆院議員(沖縄3区)、西銘恒三郎衆院議員(同4区)、国場幸之助衆院議員(九州比例)、宮崎政久衆院議員(同)、金城泰邦衆院議員(同)、比嘉奈津美参院議員(全国比例)の国政与党の6氏は国葬に出席するのに対し、赤嶺政賢衆院議員(沖縄1区)、新垣邦男衆院議員(同2区)、伊波洋一参院議員(沖縄選挙区)、高良鉄美参院議員(同)の野党4氏は欠席を表明。国葬の賛否について与野党で見解が分かれた。
思想の自由に反する
赤嶺政賢衆院議員(共産) 欠席。安倍元首相に対する敬意と弔意を強制することは、「思想及び良心の自由」に反する。また特定の個人を特別扱いすることは、「法の下の平等」をふみにじるものだ。憲法違反の国葬は中止すべきだ。
国民の分断招くもの
新垣邦男衆院議員(社民) 欠席。国民の分断を招く国葬などあり得ない。安倍政権への政治的評価が二分する中、世論調査でも5割以上が反対している。国葬の基準、法的根拠が曖昧なまま閣議決定のみで開催を決めたことも問題。
功績たたえ弔意示す
島尻安伊子衆院議員(自民) 出席。憲政史上最長の首相在任など、これまでの功績を讃(たた)え、粛々と弔意を表したい。
平和維持の実績評価
西銘恒三郎衆院議員(自民) 出席。歴代総理で1千回以上の首脳会談を行ったことは平和維持のための実績であり、高く評価する。凶弾に倒れた元総理に対し合掌する行為は人間としても沖縄の心としても当然と考える。
世界から敬意と弔意
国場幸之助衆院議員(自民) 出席。大震災復興や外交再建など困難な時期に最長の政権を担い、世界中から敬意と弔意と参列希望が示され、礼節を持って要人をお迎えする必要。守礼の邦と平和の礎の魂を体現すべく哀悼の誠を捧げる。
コメントは控える
宮崎政久衆院議員(自民) 出席。海外出張中のためコメント控える。
悲劇を繰り返さない
金城泰邦衆院議員(公明) 出席。安倍元首相が亡くなった銃撃事件のような悲劇を繰り返さないために国葬儀の実施が決まったと考える。あらゆる脅威から民主主義を守る決意を世界に示すためにも粛々と厳かに行われることを望む。
法律の裏付けはない
伊波洋一参院議員(沖縄の風) 欠席。法律の裏付けなく、世論の強い反発もある。歴代最長の首相在任期間中には県民の反対を無視して辺野古新基地建設など沖縄を戦争の矢面に立たせる軍備強化を進めた。内閣葬にとどめるべきだ。
思想信条の自由侵害
高良鉄美参院議員(沖縄の風) 欠席。国葬令は憲法施行で失効し、その後も立法されず、法的根拠はない。弔意を強制しないとしながら費用の負担を通じて弔意を強制しており、思想信条の自由を侵害する。開くのは国葬ではなく国会だ。
多大な功績を残した
比嘉奈津美参院議員(自民) 出席。国葬儀について多様な受け止めがあることは承知している。憲政史上最長の総理在任期間を通じ、日本国内外において多大な功績を残されたことに心から敬意と弔意を表するため、参列を決めた。