シイタケを沖縄県産と偽装 恩納の業者、宮崎産混ぜる


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 県内の量販店やファーマーズマーケットなどを中心に生シイタケや乾燥シイタケを販売する、恩納村の「沖縄しいたけ田中」が沖縄県産シイタケとして販売する商品の一部に、宮崎県産シイタケが混在していることが23日までに同社への取材で分かった。同社は需要に対し供給が追い付かない際に、補完として宮崎県産のシイタケを混ぜ、沖縄県産と偽って販売したことを認めた。同社の田中未一郎社長は「自分が指示しながらやった。恩納村や地域の方々を裏切る形になり、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と謝罪した。

 同社が生産するシイタケは大型サイズの自社ブランド「王美凛茸(おうびりんたけ)」。宮崎県から菌床ブロックを仕入れ、恩納村の旧名嘉真公民館を改装した自社工場で培養・栽培する。パッケージには
「沖縄県恩納村産」などと表記される。量販店で販売しているほか、県内のホテルや飲食店などで人気があるという。恩納村のふるさと納税返礼品にもなっている。

 同社は約5年前、宮崎県でシイタケの栽培や販売をする事業所のグループ会社として、恩納村に拠点を置き生産・販売を始めた。シイタケは1日に約30~80キロを県内のファーマーズマーケットや量販店に出荷する。

 約2年前から生産量を超える受注に対し、宮崎県のグループ会社で生産した品種や、栽培方法が同一のシイタケを取り寄せ、不足分を補っていたという。補完は出荷全体の1割ほどの時もあれば、5割を超える時もあったという。田中社長は「評判が上がり注文が増加した。足りない時は宮崎県産の『王美凛茸』を入れた経緯はある。結果として、産地を偽ることになった。考えが甘かった」と話した。


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