沖縄工業が5年ぶりに8強 初登板の玉城、試合つくる 県高校野球秋季大会


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 第72回県高校野球秋季大会第11日は23日、北谷町のアグレスタジアム北谷、沖縄市のコザしんきんスタジアムで3回戦4試合を行った。興南は中部商を12―0の五回コールドで破り、3年連続34度目の8強入りを果たした。北山は美里に15―2の五回コールド勝ちを収め、2年連続5度目の準々決勝進出。沖縄尚学は17―0の五回コールドで美里工を退け、6年連続32度目の8強入り。沖縄工は前原に2―0で勝利し、5年ぶり23度目のベスト8を勝ち取った。24日は3回戦の残り4試合が行われ、8強が出そろう。


 五回に主砲の一打で沖縄工が均衡を破った。今大会初登板で先発した玉城大一が無失点で試合をつくり、生まれた待望の先制点。我慢の野球で中盤に流れを引き寄せ、六回から継投したエースの加治工博馬も粘って点を与えず。自ら追加点を挙げ、逃げ切った。

沖縄工業―前原 落ち着いた投球で前原打線を抑えた沖縄工の先発・玉城大一=23日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(大城直也撮影)

 数週間前に練習試合をした相手。その時は登板を控えた玉城の好投が光った。打たせて取る粘りの投球に、2死一、二塁で回った4番の西原康弥が応える。

 前の2打席いずれも得点機で変化球に手を出し走者を帰せなかった。「ここで得点しないと向こうに流れがいく」と直球に狙い球を絞り、右へ運んだ。同じ失敗は繰り返さなかった。

 2回戦まで先制点を許していた中で先にリードしての勝ち上がり。喜瀬民男監督は「3回戦まで力が張り合うカードだった。先発の玉城が五回まで粘ってくれたことが良かった。互角の勝負を抜け出したことは大きい」とうなずいた。

 先制点を踏んだ主将の呉屋創太は「前半の粘りが後半につながった」と競り合いの勝利を喜んだ。次は強敵の沖縄尚学とぶつかるが「特別なことは意識せずに向かっていきたい」と無心で挑みにいく。

(謝花史哲)