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九州突破、念願の舞台 31年ぶりに出場、決勝トーナメント目指す ラグビー成年男子<国体3年越しの夢舞台>1


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 3年ぶりの国民体育大会となる「いちご一会とちぎ国体」が栃木県で10月1日に開幕する。コロナ禍で2年連続で開催が見送られ、活躍の機会を失いながらも、諦めず日々のトレーニングに励んできた選手たち。3年越しの夢の舞台に挑む沖縄代表の姿を紹介する。

決勝トーナメント進出を目指し練習に励むラグビー成年男子のメンバーら=県総合運動公園蹴球場(謝花史哲撮影)

 2013年に15人制から種目変更したラグビー成年男子7人制で、初めて沖縄代表が本大会に出場する。15人制を合わせると31年ぶり。長年突破できなかった九州ブロックの壁を越え、満を持して念願の舞台へ上がる。

 登録選手は11人。やんばるクラブ、コザクラブ、宜野座クラブ、名桜大、協会所属からよりすぐられたメンバーだ。最年長は35歳の青木大樹。7人制に移行してから毎年、県代表入りしてチームを引っ張ってきた。

 チームの強みは、高精度のドロップキックが持ち味のキッカー渡口大貴だ。15人制と違い前後半各7分と短く、得点したチームが再びキックオフするルールで、守りに回れば得点機会を失う割合が高くなる。キックオフと落下ボールの争奪戦が勝敗の鍵を握る。

 九州ブロックは「落としたいところに落とす」渡口のキックから、速さで群を抜く永野将也を中心に攻め立てた。前向きで陽気な、南国らしい独特の雰囲気で相手にリズムを渡さない。互いに信頼を置くチームワークで7人全員が動き続けるラグビーを心掛ける。

31年ぶりに本大会へ出場するラグビー成年男子チーム

 県内のラグビー関係者はこれまで、県内各地で子どもたちへのスクールを開くなど地道に裾野(すその)を広げてきた。九州各県からも力を付けてきたと評価を受ける中で、コロナ禍に見舞われ大会が軒並み中止となった。それでも沖縄で合宿を開く男女7人制の日本代表チームと対戦するなど、モチベーションを維持してきた。メンバーはほぼ入れ替わることなく精力を注いできた。

 宮城耕次監督は「本大会に行けるのも、ここまで環境を整え選手を育ててきたからこそ。全ラグビー選手のためにも一つでも勝ち上がりたい」とチームをまとめる。

 31年ぶりの出場だが、宮城完爾主将は「重圧より楽しみが上回っている。気負わずに挑みたい」と言う。チームの状態も良く、全員が県内で長くプレーするローカルのチームだ。「自分たちらしさをしっかり出せたら結果は出ると思う。いい報告ができるよう頑張りたい」と意気込みを語った。まずは予選ブロックを突破して、一丸で目標の決勝トーナメント進出を目指す。

(謝花史哲)