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又吉、コーチの姉と挑む跳躍 2大会連続出場、高さを強みに戦える潜在力 トランポリン<国体3年越しの夢舞台>2


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姉幹奈コーチ(左)と肩を組み、健闘を誓うトランポリンの又吉夢奈=16日、うるま市大田(小川昌宏撮影)

 前回の茨城国体から初採用された体操競技のトランポリンで、女子の又吉夢奈(トランポリンクラブkenken、美里高1年)が本大会に挑む。九州ブロックを勝ち抜き沖縄代表が出場するのは2大会連続。前回代表の姉・幹奈(25)がコーチとして指導する。同種目は成年、少年の区分がなく、夢奈にとっては日本代表クラスと競う高水準の大会になるが「まずは楽しむことを心掛けたい」と姉妹二人三脚で予選突破を目指す。

 体操一家に生まれ、父が運営する教室で小学6年には競技を開始。現在二つの教室に250人が通う。高さ8メートルを確保したトランポリン練習場で夢奈も日々技術を磨いている。

トランポリンの練習に励む又吉夢奈=16日、うるま市大田(小川昌宏撮影)

 幹奈コーチは高校から石川県の強豪・金沢学院東高、金沢学院大で競技力向上を目指した。国体正式種目となった3年前に22歳で国体に出場し、結果は予選13位で決勝進出はならなかった。翌年沖縄に戻り、再び挑戦を誓ったが、コロナ禍で大会は中止に。仕事との両立や意欲を維持する難しさから現役を退き、後進育成の道に移った。

 夢奈は発展途上。高さも技術も幹奈の全盛期にはまだ及ばないが、昨年も中学3年生ながら、九州ブロック大会を通過していた。同世代の中では高さを強みに戦える潜在力を持っているといい、期待値は高い。

 トランポリン種目は10種の異なる技を連続で実施し演技点や難易度などを基準に得点を競う。跳躍後の滞空時間も点数として評価される。幹奈コーチは「何があるか分からない種目。順位が上がる可能性は誰にでもある」と見据える。

 夢奈は「トップ選手に負けない高さを出して、自分の通し10本の技をミスなくできるようにしたい」と意気込んだ。コロナ禍も重なり道半ばとなった幹奈コーチ。姉の思いも一緒に、夢奈が全国で高く舞い上がる。

(謝花史哲)