猫も人も住みやすい地域に 生態や繁殖抑える知識学ぶ 保護活動に取り組む「キャッツウォーク」と沖縄市内の自治会が連携


社会
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猫や環境問題に必要な知識について話す「SCB CatsWalk」の中村容子代表=8月16日、沖縄市の泡瀬公民館

 【沖縄】猫と環境の保護活動を行う「SCB Catswalk」(キャッツウォーク、中村容子代表)は、沖縄市内の自治会と連携し、猫と人が住みやすい環境をつくろうと取り組んでいる。このほど、泡瀬公民館で環境コーディネーター養成講座を開き、自治会長らが参加した。猫の生態や猫問題に必要な去勢(TNR)などの知識を学んだ。

 キャッツウォークは、猫と環境問題に対する正しい知識を広げようと独自で資格を創設。これまでも自治会と協力し、飼い主のいない野良猫の繁殖を抑えようと、猫を捕獲し不妊去勢手術をして地域に返すTNR活動に取り組んできた。

 今回は全5回を開講。5回目の講座があった8月16日、参加者は自身が住む地域で、猫がどのような環境にいるか調査してきた内容を発表した。市中心部の食料品店駐車場で調査をした女性は、適切な餌やりをする中で、10匹ほどいることが分かり、急いでTNRを行った。だが同じ地域には他にも個別に餌を与えている人もいた。無秩序に餌やりをすることで悪臭問題や他地域からの野良猫の流入による繁殖につながることもあり、管理を続ける難しさを痛感したという。

 女性は餌をやる人に対して、TNRの管理地域だと示し、活動に協力を仰ぐ必要性を提案。中村代表も「猫のすみかを見つけたら、ランダムに餌やりをしている人たちをまとめることが大事だ」とし、TNR活動を行う仲間を増やして連携すれば、持続可能なTNR活動につながると強調した。

 越来、泡瀬、池原、中の町などの自治会長が参加した。猫の苦情をきっかけに数年前からTNR活動に取り組む泡瀬自治会の桑江良尚会長は、「猫の絶対数を減らしていくことが各自治会の課題だ。行政も意欲を出して取り組まなければ解決しない」と話した。
 (石井恵理菜)