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全員野球で表彰台を目指す 「つなぐ野球」機動力駆使した攻撃強み 軟式野球<国体3年越しの夢舞台>4


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力強く投げ込む銘苅瑞輝=28日、宜野湾市のぎのわん海浜公園投球練習場(ジャン松元撮影)

 軟式野球の沖縄選抜が、3年ぶりに開催される国体の本大会に臨む。前回2019年の茨城国体では4位となり、過去最高成績を残した。「和気あいあいと楽しくプレーする」ことが特徴のチームは、全員野球で“茨城超え”を目指す。

 多くの都道府県代表が一企業に属する職員らでチームを構成する一方、沖縄代表は所属先がみんなバラバラだ。職域野球でプレーするチームも違う。そのため、みんなが集まって練習する時間が週2回しか取れないという。半面、県内で活躍する能力の高い選手がそろっている。

 チームは投手陣が粘り強く相手打線を抑え、打撃陣の「つなぐ野球」で機動力を生かしながら点を取ることを得意とする。九州ブロック大会でも、大分を相手に1―0の接戦で制すなど勝負強さを発揮してきた。

 国体初出場となる投手の銘苅瑞輝(25)は、社会人野球を始めた3年前から国体に出たいとの思いを抱いてきた。一昨年、昨年と、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期や中止となった国体が今年、ようやく開催される。銘苅は「待ちに待っていた。開催に感謝しながら、試合に臨みたい」と意気込む。

 打線の主軸を期待される松島辰成(33)は奈良県代表として7、8回、国体出場の経験がある。地元に帰り、今回初めて沖縄選抜として出場する。「和気あいあい楽しむところが、沖縄が他の県と違うところだ」と話す。同時に身体能力が高い選手が多く、茨城国体で4位となったことを例に挙げ、「(軌道に)乗れば勢いが出る」と自信を示す。

 喜屋武満監督は、4位の成績を残した「茨城国体」の時も監督を務めた。当時を経験していないメンバーもいるが、やるべきことは変わらない。3年ぶりの開催を受け「いよいよだという気持ちだ。初戦を突破すれば勢いに乗れる。県選抜に選ばれたという自覚を持ち、それぞれが力を発揮してほしい」と選手の背中を押す。

(砂川博範)
(おわり)

栃木国体に出場する沖縄県選抜チーム=熊本県のリブワーク藤崎台球場(提供)