かつおと豚骨、選べるスープ 唐門そば(南風原町)〈うちなー味まーい〉63


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陳さんお薦めの「黒毛和牛筋そば」(税込み800円)と「ジューシー」(税込み200円)

 8月に南風原町与那覇にオープンしたばかりの「唐門そば」。中国・福建省出身の店主・陳偉(チンイ)さんが、自慢の沖縄そばを振る舞う。

 元々はインバウンド向けに旅行業などを展開していたが、新型コロナウイルスの影響で旅客は激減。雇用を維持しながら別の事業ができないかと考え、大好きな沖縄そばへの挑戦が始まった。

 今年4月から沖縄そば発展継承の会(野崎真志会長)の沖縄そば開業塾に通い、だしの取り方や製麺の技術などを教わった。陳さんによると、データでは県民の6割がかつおだし派、4割が豚骨派だという。「手間はかかるけど、両方味わえたら」。陳さんの優しさから店では、かつおと豚骨の2種類からスープを選ぶことができる。麺はそれぞれ相性のいい、細麺と生麺を使い分ける。

 おすすめは、豚骨だしの「黒毛和牛筋そば」(税込み800円)。8時間煮込んだスープはほんのり甘く、もちもちの生麺とよく絡まる。牛すじは、とろけるように柔らかい。

 沖縄そばの原点は、中国から伝わった麺とされる。「食を通して歴史に触れながら学んでほしい」との思いから、「唐人そば」(税込み600円)も販売中。豚骨しょうゆベースのスープは、ほっとするような味わい。

 陳さんは「原点をベースにもっと沖縄そばをウチナーの皆さんと盛り上げていきたい」と語る。「県民に愛されるような店」を目標に、今日も挑戦を続ける。

 営業時間は午前11時~午後3時まで。定休日は木曜日。南風原町与那覇48の3。電話098(835)6788。

(比嘉璃子)

店のキャラクター「唐人1号」と並ぶ店主の陳偉さん