琉球新報社 【豊見城】9日投開票の豊見城市長選は届け出順にNPO法人理事で無所属新人の辻内岳晴氏（42）、2期目を目指す無所属現職の山川仁氏（48）＝共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦、前市議で無所属新人の徳元次人氏（41）＝自民、公明推薦＝が立候補した。各政党や団体から支援を受ける山川氏と徳元氏の事実上の一騎打ち。琉球新報は2日までに、両氏から相手の政策や訴えに関する質問を寄せてもらい、各200字程度で回答してもらう紙上クロス討論を実施した。両氏の質問と回答を紹介する。（文中敬称略）（照屋大哲）
再生医療に反対か → 他の場所ならば賛成
なぜ辺野古に賛成 → 住民二分終わりに
山川氏 1999年の財政非常事態宣言が山川市政で解除された。前市政で毎年20億円増加した市債残高が減少し経常収支比率は最も良好な状態になった。財政状況が大幅に改善したことをどう思うか。
徳元氏 経常収支は改善しているものの扶助費、人件費、公債費の義務的経費は全て増加している。山川市政で悪化した義務的経費による財政圧迫により経常収支比率も今後悪化することが明白だ。豊崎中学校の建設費用も約30億円かかるので、市の財政状況はさらに悪化する。今後の見通しとして、中央公民館、給食センターなどの建て替え、新炉建設に10億円の一般財源が必要と言われている中で、財政状況が改善したようには思えない。
山川氏 新産業の拠点形成を目的とする与根土地区画整理地区で、県と連携し県内初の再生医療産業の拠点形成を進める議案に6度も反対したが、豊見城市での再生医療産業に反対か。
徳元氏 他の場所であれば賛成だ。この施設予定地は市内唯一のサッカー専用施設であり代替施設もない中、あえて廃止する意義について多くの議員の疑念を市長が払拭（ふっしょく）できなかった。さらに誘致される施設は平屋の50坪程度であり、市の再生医療の具体的な計画もない中、有望な拠点となり得るのか十分な説明がなかったため、このような結果となった。なお、市は当初、県の施設誘致の打診を拒否している。
山川氏 市議の時、普天間飛行場代替施設の早期実現を求める意見書の提案者となり、普天間の代替施設は辺野古と説明した。今知事選も辺野古賛成の候補者を応援した。なぜ辺野古新基地建設に賛成なのか。
徳元氏 豊見城市長選に立候補する者として、宜野湾市や名護市そしてウクライナ侵略、台湾有事など、直接影響する地域住民やその国民の方々にとって憂慮すべき事案に口を挟むことは避けるべきであり、答える資格はないと考えている。これ以上住民が基地か経済かで二分される選挙を終わりにしたい。
