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眉ぞり、ツーブロックなぜダメ? 「根拠ある校則」目指し、中学生が聞き取り調査開始 企業や高校生の考え方探る


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県内企業の社長に質問する城北中学生徒会のメンバー=9月15日、那覇市の同校

「わがままを通すのではなく、根拠のある校則に改めたい」―。那覇市の城北中学生徒会が校則改定に向けて、教員や回りの大人たちを巻き込んで取り組みを前進させている。「大人は眉を整えているのに、私たちが眉を整えるのはなぜいけないのか」「ツーブロックは奇抜と言えるのか」。根拠を突き詰める過程で「学校内だけでなく、進学先や就職先など、社会的にはどんな印象を持たれるのかを調べる必要がある」と考えた生徒会は9月、企業や高校の意識調査を始めた。

「入社面接に、眉を剃(そ)った人が来たらどう思いますか」。同月15日の校長室。この日は5人の生徒会メンバーが集まり、招いた企業社長に質問した。「(眉ぞりを)確認したことがない。気になったことがない、というのが正しいかもしれない」。調査に応じたのは、食品卸売業を営む大伸(浦添市)の赤嶺克俊社長。「奇抜でなければいいと思うが、奇抜の程度が難しいんだよね」。校則改定の難しさに共感を示しながら、一つ一つ丁寧に答えた。

多くの校則で「奇抜な髪型」として禁止されているツーブロックについても、質問をぶつけた。「全校生徒に取ったアンケートでは、ツーブロックを認めてほしいという声が多い。会社では印象が悪いですか」。赤嶺さんの会社では数年前、「奇抜で客からのイメージが悪い」という指摘が社内から上がり、議論した経緯があるという。「でも、どの社員に聞いてもなぜ奇抜と言えるのか理由が見つからなかった。その後ツーブロックを認めたが、クレームもないし、売り上げも落ちていない」

赤嶺さんは「眉ぞりも髪型も、ルールは意外と曖昧だ。大事なのは、全部禁止して封じ込めるのではなく、回りに迷惑をかけていないか、不快に思う人はいないか、その都度考えることではないか」と話し、「(同校の)取り組み自体に意味がある」と伝えた。

生徒会長の島袋愛佳さん(15)=3年=は「意外と企業は自由なんだなと思った。ただ、自分勝手な自由を認めているわけではなく、認めるにもしっかり根拠があると分かった」と、聞き取り調査の手応えを感じていた。

生徒会は今後、同校生徒が多く進学する七つの高校と、県内大手企業4社、県教育委員会などにもアンケート調査をする予定。
(嘉数陽)