【動画あり】泊魚市場で最後の競り 沖縄県漁連、11日から糸満へ移転 那覇地区漁協は継続


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
県漁連の施設移転前に泊魚市場で最後の競りを行う仲買人ら=7日午前5時3分、那覇市港町(ジャン松元撮影)

 沖縄県漁業協同組合連合会(県漁連)が運営する那覇市の泊魚市場での最後の競りが7日早朝に行われた。連休明けの11日から、県漁連の競りは糸満市の糸満漁港内に県主体で整備した高度衛生管理型荷さばき施設で開催される。那覇地区漁業協同組合の競りは引き続き泊漁港内で行われる。鮮魚の直売所「泊いゆまち」も営業を続ける。

 7日の競りでは、3連休前ということもあって普段より多くのマグロなどが水揚げされ、活気のある仲買人の声が飛び交った。

 現在の泊魚市場は1980年の開設以来、県水産業の拠点として重要な役割を担ってきた。しかし近年では施設の手狭さや老朽化、環境衛生面の改善が必要とされ、20年以上前から移転計画が持ち上がっていた。県漁連は2018年の総会で移転方針を決議した。

 県漁連の上原亀一会長は「42年間、水産物の流通拠点として認知され、県民に愛されてきた。今日まで支えてくれた生産者、仲買人、関係者に心から感謝したい」と話し「11日から新たな市場で競りが始まる。皆さんの期待に応えるような市場づくりをしていきたい」と意気込んだ。

 糸満漁港の新市場は、外部からの粉じんやウイルスの混入を防ぐ閉鎖型施設で、入場する際には必ず洗浄スペースを通過する構造にするなど、徹底した衛生管理体制を敷いた県内唯一の高度衛生管理型荷さばき施設となる。品質強化に期待がかかる一方、消費地の那覇近郊から場所が離れることで輸送に不便だとして不安視する声も聞かれる。

(沖田有吾)