重量挙げ、知念が堂々試技で準優勝 成年109キロ級、スナッチでは日本新も 沖縄での練習、奏功 とちぎ国体


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 【栃木国体取材班】第77回国民体育大会・いちご一会とちぎ国体は第8日は8日、栃木県内各地で行われ、沖縄代表は重量挙げの成年男子109キロ超級で知念光亮(豊見城高―沖縄国際大出、いちご)が日本新となるスナッチ193を成功させ同種目で優勝を飾った。ジャークは228キロ、トータル421キロで準優勝した。


 

重量挙げ成年男子109キロ超級 スナッチ最終3回目で日本新記録となる193キロを挙げる知念光亮=8日、栃木県の小山市立体育館(砂川博範撮影)

 堂々たる試技で会場を魅了した。重量挙げ成年男子109キロ超級。知念光亮(いちご)がスナッチの最終3回目で193キロを挙げ、日本新記録を打ち立てた。その瞬間、観客や関係者からは「オー」とどよめきが上がった。

 知念は2回目でまず、大会記録を超える187キロを難なくクリア。だが、高校時代からのライバル村上英士朗(富山)が188キロを挙げ、即座に抜き返された。息詰まる差し合いに、会場は熱を帯び始めた。

 迎えた知念の3回目。日本新記録が懸かる中、場内は静寂に包まれた。知念は短く気合を入れ、一呼吸置いてからバーベルを一気に頭上まで持ち上げ、成功させた。最後まで表情を崩さず、冷静さを保ったままだった。

 調子の上がらなかった5月の全日本選手権後、沖縄に戻って自分のペースで練習することを決意。各部位の筋肉をまんべんなく鍛え上げ、体重を増加させた。食事にもこだわり、体を仕上げた。それが功を奏し、この国体で結実した。

 ジャークとトータルでは村上に及ばなかったが「試技を6回とも成功させ、悔しさはない」と手応えを示した。

 12月にはコロンビアで世界選手権が控える。知念は「脚力がまだ足りない。トレーニングを積み、今度はジャークをどんどん伸ばしていく」と自信をのぞかせた。

(砂川博範)