赤土流出、57海域改善 県調査、7海域は悪化


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 県環境部環境保全課はこのほど、2013~21年度の赤土等流出防止対策の最終評価を公表した。76海域のうち、海底に堆積する赤土などの量が57海域で改善した一方、7海域で悪化したことが確認された。

 県は13年度に基本計画を策定し、モニタリング調査を毎年行う重点監視22地域、5年ごとに行う監視54地域を設定。海底の赤土堆積量を基にサンゴ礁、海草藻場、干潟に分けて改善目標を定めたほか、海域での目標を達成するために陸域から流出する赤土削減量も定め、対策を実施してきた。

 結果、76海域のうち、38海域(50%)は目標を達成し、19海域(25%)は目標を達成できなかったが改善または改善傾向が確認された。

 一方、12海域(15・8%)は変動せず、3海域(3・9%)は悪化傾向、4海域(5・3%)は悪化が確認された。

 県は1993年度に赤土等流出防止条例を制定。開発事業現場での対策を強化し、流出量は93年度の16・7万トンに対して21年度は3・4万トンと8割削減された。一方、流出源の81%を占める農地からの流出量は93年度32・1万トンに対して21年度20・0万トンと4割弱の削減にとどまっている。

 県は次期計画を22年度に策定する。開発事業現場での対策徹底を継続するとともに、農地からの流出量を削減するために沈砂池整備や勾配修正といった土木的対策、農家や関連団体と協働してのグリーンベルト植え付けなど営農的対策を強化していく。
 (安里周悟)