昼夜を問わず90デシベル超の騒音が恒常化 東村高江、ヘリパッド建設後に激しく 米軍ヘリ炎上5年


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 2017年10月に米軍ヘリ不時着・炎上事故が発生した東村高江では、集落を囲むように米軍北部訓練場ヘリコプター発着帯(ヘリパッド)六つが建設され、昼夜を問わず90デシベル超の騒音被害が恒常化している。

 沖縄防衛局は高江区の中心部の小字「牛道」と17年に事故が起きた「車」に騒音測定器を設置。区内にN4ヘリパッド(2カ所)が完成し、米軍に提供された15年2月以降は騒音が激化した。

 13年度以降の数値をみると、騒音の最大値は昼間(午前7時~午後7時)が15年7月に車集落で測定した98.6デシベル、夜間(午後7時~午前7時)は21年4月に牛道で測定した96・9デシベル。100デシベルは「電車通過時のガード下」に相当し、会話がほとんど不可能とされる。

 測定回数は19年度以降は減少傾向にあるが、仲嶺久美子区長(72)は「住宅地から約400メートルと近いN4の使用頻度は依然高く、負担は減っていない」と指摘する。今年9月に2度、牛道の住宅地でオスプレイが午後10時ごろまで低空飛行するのを住民が確認した。

 防衛局に低空飛行の中止などを再三要請してきた仲嶺区長は「住宅地に近いN4の使用だけでも止めてほしい。政府が米軍に強く働き掛けてほしい」と求める。當山全伸村長は「N4は福地ダムに近く、事故の発生は水質汚染に直結する。17年の事故原因も判明していない。安全性を確保できないならN4や水源地域の訓練はやめてほしい」と語った。
 (岩切美穂)