佐渡山、充実の完全V 重量挙げ女子55キロ級 スナッチ1本目失敗も迷わず とちぎ国体


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 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」第9日は9日、栃木県内各地で行われ、沖縄代表は重量挙げの女子55キロ級で佐渡山彩奈(いちご)がスナッチ87キロ、ジャーク109キロの2種目を制し、トータル196キロで頂点に立った。少年男子89キロ級の造倉翼(糸満高)はジャーク140キロで3位入賞し、トータルでも3位だった。女子49キロ級の伊良皆理絵(県協会)、少年男子の石川太陽(嘉手納高)はいずれもトータル7位だった。

重量挙げ女子55キロ級で頂点に立った佐渡山彩奈

 スナッチ、ジャークをともに制してトータル1位の座をもぎとった。得意のスナッチで1本目を落とし、内心焦りを覚えたが、この日はいつになく体が軽く、好調さが背中を押した。迷いも消し飛んだという。

 大会当初は「スナッチ、ジャークとも自己ベストの89、109キロを狙った」が、スナッチの「落とした一本がやや心残り」と言う。

 半面、その心残りが慎重さにつながり、ジャークに弾みがついた。ジャークとトータルは自己ベストとなった。

 実際に国体に向けて念入りに体づくりをしてきた。「体重が落ちやすいので食事にも気を配り、維持するようにしてきた」という。

 練習面でもけがに泣かされることが多く、ストレッチなどで下半身強化に取り組んだ。結果、「体も軽くて自分の感じでできた。全体的には良かった」とうれしさをにじませた。

 両種目を制しての頂点だが、振り向けば関根葵(日体大)ら強豪がひしめき、自らの地位を脅かすように迫り来る。

 「(相手も)重量を上げてきたので、ジャークの3本目は取らないと勝てない」

 気合を入れて臨み、満足の成果に「沖縄に貢献できたのは良かった」と緊張感が緩んだ。当面は世界選手権の選考を視野にトレーニングを重ねる。
 (斎藤学)