子どもにとって担任は、学校で一番身近な存在である。異変に最も早く気付くことのできる担任の不在で最も影響を受けるのは子どもたちだ。助けを求めることや悩みを解決する力に乏しい子どもらには、表情や挙動の変化に気付ける継続的な見守りと指導が必要だ。担任不在でSOSがすでに見落とされている可能性は高い。専科教諭を含めた教員不足について、半嶺満県教育長は11日の県議会代表質問で「元正規任用教諭等を対象とした特別選考を実施するなど、採用試験の制度改革を行っている」と述べた。
しかしまず着手すべきは、過重な業務負担の解消をはじめとする労働環境の改善だ。安心して働ける環境が確保されなければ、教員志望者は増えず、教師不足の改善は実現できない。
労働環境の改善は、教師や教育行政だけで実現できるものではないはずだ。例えば県内でも本格議論が始まった部活動の地域移行は、地域や保護者らの理解と協力がなければかなわない。
「学校の問題」ではなく「社会全体の問題」としての認知、議論が求められる。
(嘉数陽)