【識者談話】教員不足、子の学習意欲低下を懸念 西本裕輝教授(琉大大学教育センター)


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西本 裕輝教授(琉球大学大学教育センター)

 学級担任が不足するとクラスを見る教員が入れ替わり、指導の継続性の維持が難しい。子どもの学習意欲と学力の低下につながる可能性がある。カバーする他の教員も授業や業務負担が増え、新たな休職につながる恐れもあり悪循環だ。

 学級担任を含む教員の不足は、予定外の欠員が要因だ。産休や育休は事前に臨時職員を探す時間があるが、病気による休職はそれがない。

 沖縄は教員在職者数に占める精神疾患での休職者割合が全国で最も高い。だが、決して沖縄の教員がストレスに弱いということではない。教員採用試験は全国で最も倍率が高く、競争を勝ち抜いた優秀な人々だ。

 それでも休職が多い。労働環境の改善やメンタルヘルス対策が求められる。

 予算の問題もあるが、試験でより多く人を採用することや、年度途中でも正規採用できる仕組みを考える必要があるのではないか。
 (教育社会学)


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