「ハワイからの豚」に感謝のフラ 戦後の困窮救った海外ウチナーンチュとの絆 記念碑前でダンス披露 沖縄・うるま市


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ハワイの県系人に感謝するフラを踊る参加者たち=9月23日、うるま市仲嶺のハワイの豚記念碑

 【うるま】戦後にハワイのウチナーンチュが沖縄に送った豚の歴史を顕彰する記念碑の前で9月23日、関係者ら約60人が集い「ハワイ海豚感謝祭」を開催した。布哇(ハワイ)海豚顕彰会の宮城葉子さんは、今回自作した感謝の歌「ニフェーデービルアロハマハロ ハワイのウチナンチュ」を披露。会の趣旨に賛同した団体によるフラの演舞で会場は華やかな雰囲気に包まれた。

 戦争で壊滅的被害を受け食糧難に陥った沖縄を救うため、ハワイの県系人が送った550頭の豚によって、県内の養豚業が復活し、自立への道筋が開かれた。記念碑は、2016年にうるま市民芸術劇場の中庭に建立された。

 顕彰会はこの史実を後世に伝え、ハワイとの絆を再確認するために感謝祭を開いた。浜端良光代表は「ハワイのウチナーンチュは知恵を絞り、養豚の復活が沖縄の自立につながると考え、生きた豚を送った。この逸話が示す意味をよく理解してほしい」と話した。

 参加した市教育委員会の宇江城聖子学校教育部長は「市内小中学校でハワイの豚の史実を学習する取り組みをしている。これからも強く推進していきたい」とあいさつした。

(世禮亮通信員)