10月景況「持ち直し」 日銀那覇 宿泊業回復傾向続く


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 日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は14日、10月の県内金融経済概況(主要指数8月)を発表した。新型コロナウイルスの感染抑制と経済活動の両立が進み需要が回復し、県内景気判断を「持ち直している」と3カ月ぶりに上方修正した。

 目先の県内経済についても「持ち直しが続くとみられる」とし、前月までの「感染症の影響による下押し圧力を受けつつも」との文言を削除した。飯島支店長は「依然として感染症の影響は受けているが、その度合いはだいぶ和らいでいる」と指摘した。

 個別項目では、個人消費と観光の判断を引き上げた。夏場にコロナ感染者数が急増したが、観光客数の回復傾向は続いた。県民の外出も増え、百貨店・スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアの販売額なども堅調に推移している。

 8月の主要ホテル客室稼働率は59・5%、9月は速報値で53・1%となっている。9月の稼働率は例年低下する傾向にあることや、台風の影響でキャンセルが増えたことを差し引くと、回復傾向は続いている。

 原材料価格の上昇を背景に販売価格の引き上げが相次いでいることについて、飯島支店長は「(抑制されていた需要が一気に回復する)ベントアップ需要が顕在化している下で、消費をしおれさせてはいないということだろう」と語った。依然としてコロナの影響やウクライナ情勢を背景とした資源価格上昇がリスク要因になっていることも付け加えた。

 (當山幸都)