沖縄戦、風化させない 浦和の塔で浦添市戦没者追悼式


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戦没者追悼式で自作の「平和のメッセージ」を読み上げる市内の中学生たち=11日、浦和の塔前

 【浦添】第76回浦添市戦没者追悼式が11日、浦添城跡内の浦和の塔前で行われた。松本哲治市長や市遺族会の宮城實会長、市内の中学生ら約20人が出席し、世界の恒久平和を願うとともに沖縄戦を風化させず継承していくことを誓った。新型コロナ防止のため3年連続で規模を縮小しての開催となった。

 浦和の塔がある前田高地(ハクソー・リッジ)は沖縄戦における激戦地の一つ。当時浦添村では9千人余りいた住民のうち4割以上が戦死した。沖縄戦で家族3人を失った宮城会長は「戦後77年が経過し、あの忌まわしい沖縄戦が風化しつつあることを懸念する。遺族として戦没者の供養はもとより、沖縄戦を決して風化させてはならない。語り部として努力することをここに誓う」と語った。

 式典では、市内中学生で構成する「ピースメッセンジャー」の8人が「私たちにできる一歩を」と題した自作の「平和のメッセージ」を読み上げた。ウクライナ侵攻を念頭に「今もどこかで広がっているかもしれない どす黒く赤い世界 そんな世界があっていいのか 私達が取り組むべき未来へ向けた大きな課題 それを解決できるのは あなたかもしれない 私かもしれない」などと訴えた。
 (吉田健一)