「捨てた釣り糸、分解されるまでに600年かかる」 沖縄水産高の15人が「一日教師」、中学校で海洋ごみ問題の授業


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伊良波中の1年生に、海洋ごみ問題を教える沖縄水産高校海洋技術科船長コースの3年生=9月29日、豊見城市の伊良波中学校

 沖縄水産高校の海洋技術科船長コースで学ぶ3年生15人が9月29日、豊見城市の伊良波中学校で“一日教師”を務め、1年生に海洋ごみ問題について授業した。クイズを出したり動画を見せたりして中学生の興味を引きつけながら、「海への漂着ごみは世界規模の深刻な問題だけど、一人一人の行動で改善できることがある」と説明し、「自分事として考えてほしい」と伝えた。

 教壇に立つ生徒はこの日、船長服に帽子をかぶって登場。船乗りの格好を見た中学生からは「かっこいい」と歓声が上がる場面もあった。

 授業では、釣り糸やレジ袋などの身近なごみやプラスチックなどが海洋ごみとなり、ウミガメが誤飲するなど生態系に深刻な影響を及ぼしていると説明。漁業や観光業にも大打撃を与えていると解説した。

 教師役を務めた成田晴さん(18)は、ポイ捨てが多いごみとして釣り糸を例に挙げ、「分解されるまでに600年かかるとされている。これぐらいならと軽い気持ちで捨ててはいけない」と強調した。

 授業を受けた生徒(13)は「ポイ捨ては自分でもしないし、している人を見掛けたら注意しようと思った。先生(沖水生)がフレンドリーで楽しかった」と話した。
 (嘉数陽)