発展願い、区民が熱演 名護市大浦区村踊り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
空手の所作で踊る大浦区の「天べー」=11日、大浦農村集落センター

 【名護】名護市大浦区(宮里清功区長)で11日、地域の発展・活性化を祈念して村踊りが行われた。地謡4人の歌・三線で幕開け後、「わんやこの村の百二十歳なゆる長者の大主」の口上で始まる「長者の大主」、続いて五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する「稲しり節」で会場が一気に盛り上がった。

 代々受け継がれている演目(「ゼイ」「高平良万歳」「柳」など)には大浦区ならではの特徴があるという。
 人口100人余、世帯数40足らずの小さな集落ながら、この村踊りは全て区民で演じている。宮里区長は「市営住宅の住人や本土からの移住者が地域に解け込み、協力してもらっているのが大きい」と語った。「稲しり節」のサンダー役を演じた杉浦真弓さん(64)、「天ベー(ティンベー)」を踊った松尾太士さん(37)、「ゼイ」の深田友樹英さん(32)ら、いわゆる“本土勢”が地域を大きく盛り上げている。
 さらに大浦の強みは子どもの多さにある(人口100人余中30人)。子ども会10人による「ソーラン節」にその勢いが出ていた。
 今回15の舞踊演目に新たに8人が初出演。「四季口説」を踊った高校生の藤原芽生さん(16)・由芽さん(16)姉妹の由芽さんは「今回で2回目の出演、緊張したが、うまく踊れてほっとした」と表情を緩めた。
 かつて「琉球芸能、大浦にあり!」と言われたこの地区でも、戦後、村踊りの中断・復活を繰り返し、今の村踊りは2003年に16年ぶりに開催され現在に至っている。宮里区長は「今後もしっかり継承していきたい」と決意を述べた。
(嶺井政康通信員)