全国で唯一プラスを維持していた沖縄でも…8カ月連続の人口減「社会保障に影響も」


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 県統計課による2022年1~9月の推計人口調査で、月別の出生数から死亡数を引いた数は、8カ月連続で自然減になっている。9月はマイナス373人だった。沖縄県は2021年までの人口動態調査で、自然増減数953人と全国で唯一プラスを維持してきたが、元りゅうぎん総研上席研究員の金城毅氏は「22年はマイナスになる可能性がある」と指摘した。

 少子高齢化は全国的に加速しており、全国の2021年人口動態統計では、出生数は統計を開始した1899年以降で過去最少の81万1622人で、死亡数は戦後最多の143万9856人だ。2005年から自然減に転じている。都道府県別に自然増減率をみると秋田県のマイナス12.4が最も深刻で、東京都もマイナス2.4だった。

 少子高齢化に伴う人口減少の懸念は沖縄にも押し寄せており、県内の月別推計人口では、22年は1月がプラス84人だったが、2月以降は死亡数が上回り、9月はマイナス373人となっている。

 市町村の将来推計人口調査などを調査してきた金城氏は、今回の人口動態の結果も含めて「今後は労働市場や社会保障に影響が出るだろう」と推測する。

 少子高齢化への対策として、子育て環境の改善や、中高年の働き手確保のための50代以上のリカレント教育(学び直し)、人口減少が加速する離島でのオンラインによる教育や診療などを提唱する。それでも日本人の人口減少が続くため、外国人の受け入れ体制の強化も必要とした。
 (嘉陽拓也)