金村尚真、日ハム2位指名 「プロ入りだけを目指し頑張ってきた」 豊見城中出身、富士大でエースに成長 プロ野球ドラフト


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日本ハムから2位指名され、念願のプロ入りを果たした金村尚真=20日、岩手県花巻市の富士大学(斎藤学撮影)

 県出身の本格右腕に、待望の瞬間が訪れた。日本ハムからドラフト2巡目で指名された富士大の金村尚真は「プロ入りだけを目指して頑張ってきた」。その一念がやっとかなった。1位指名を逃し、表情に悔しさもにじんだが「順位に関係なく活躍する選手も多い。惑わされず頑張る」。念願の球界入りに気を引き締めた。

 ドラフト会議の一巡目を終えた二巡目の冒頭。静寂が支配した会見場に指名の呼び声が響いた。「おおっ」とどよめきがわき起こり、金村の緊張の表情がようやく緩んだ。「ほっとした」。後輩たちにガッツポーズで応じ、歩み寄るとハイタッチで拍手にこたえた。

 制球力が持ち味で最速150キロの直球を軸にカットボールやスライダー、カーブなど多彩な変化球を操る。3年時の北東北大学春季リーグ1部では完全試合を達成した。リーグ戦通算は25勝、防御率は0.87、奪三振260個のホルダーだ。「こういう選手になれたのも両親のおかげ。大学までしっかり育ててくれて。プロ入りを真っ先に伝えたい」

 会見に同席した富士大の安田慎太郎監督は語り掛けるように「息の長い選手になってほしい」。豊見城市立上田小で野球を始め、多くの指導者に恵まれた。そんな記憶が脳裏に浮かんだか。「野球の基礎を教わった。頑張って結果を残し感謝したい」。この日、金村は自らに新たな目標を設定した。色紙に記したのは「開幕1軍」。そして「プロ野球を代表する投手になる」と誓った。
 (斎藤学)

富士大でエースに成長

 金村尚真は父や祖父の影響で野球が好きになり、上田小3年時に豊見城ジュニアでプレーし始めた。当初は内野手で後に投手へ。豊見城中2年でエースナンバーを背負い、3年時に全日本少年軟式野球大会でチームを初優勝に導いた。U15日本代表としてBFAアジア選手権で準優勝した。

 「県外でやってみたい」という気持ちがあり、岡山学芸館高に進学し野球に打ち込んだ。レベルが高い環境でもまれつつ2年秋からエースを務めた。3年夏の県大会決勝で敗れ「まだプロで活躍できない」と大学進学を決意した。

 富士大では雪や寒さに悩まされたが「自分の野球人生で一番成長できた」。2年秋からエースとして投げ、3年春には北東北大学1部リーグで史上2人目の完全試合を達成するなどの活躍を見せた。

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 かねむら・しょうま 投手、右投げ右打ち。2000年8月29日生まれ、豊見城市出身。176センチ、83キロ。上田小―豊見城中―岡山学芸館高出。