那覇軍港「T字型」形状、沖縄県が容認へ 防衛省の提示案、25日の協議会で表明方針


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇軍港=2020年8月20日

 那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設を巡り、軍港の代替施設を民港の北側に配置し「T字型」とする防衛省提示の形状案について、沖縄県が受け入れに向けて最終調整していることが21日までに、分かった。関係者によると、防衛省は県や那覇、浦添の両市などで組織する「移設協議会」を25日に開催すると、各自治体に通達した。同協議会で他の構成機関からの意見交換を踏まえ、県は受け入れの意向を示す方向で調整を進めている。25日までに県議会与党に県の方針を説明する。

 防衛省が提示した軍港の形状案は、民港整備部分の北側に、約49ヘクタールを埋め立てる方針。埋め立て工事前には、新たな防波堤も建設し、埋め立て地へのアクセス道路は橋梁(きょうりょう)式とする方向で検討している。那覇軍港に関する移設協議会が開かれるのは、今年3月以来、約7カ月ぶりとなる。

 県は前回の移設協議会後、国が示した形状案が自然環境に与える影響など10項目を照会。沖縄防衛局からの回答を得て、7月末には防波堤や進入道路の位置などを明確に示すよう求め、検討を進めてきた。関係者によると、県は一定の回答を得たとして受け入れる方向で調整している。

 玉城デニー知事は21日の定例記者会見で、移設協議会の開催について問われ、「現在防衛省において検討されている。われわれもきちんと確認しながら進めようと考えている」と述べた。その上で、最終的な受け入れの是非については「関連する道路や形状などを引き続き移設協議会において確認していきたい」との立場を示した。

(池田哲平)

 


【関連記事】

【記者解説】沖縄県の「T字型」容認は規定路線 那覇軍港移設 県議会与党に反対意見も

那覇軍港移設、23年度以降に作業本格化 返還は最短で30年代末の見込み