【動画あり】日米共同統合演習、沖縄県内離島の民間港の使用を模索 異例の大規模、自衛隊の那覇基地に戦闘車を展開 


この記事を書いた人 Avatar photo 山城 祐樹
防衛省(資料写真)

 防衛省は21日、自衛隊と米軍による日米共同統合演習「キーン・ソード23」を11月10~19日に全国で実施すると発表した。中国を意識し、南西諸島を中心に運用能力の向上を図る。県内にある自衛隊、米軍の各施設に加え、中城湾港(沖縄市、うるま市)など民間施設も使用する。施設名は明らかにしていないが、離島の民間港の使用も模索している。 

 演習全体で日米合わせて航空機約370機、空母を含む艦艇約30隻の使用を予定する。県内で実施される共同訓練としては極めて異例の大規模となり、航空機の離着陸など基地周辺の負担が増す可能性がある。

 中城湾港では当初、105ミリ砲を搭載した最新鋭の装輪装甲車「16式機動戦闘車」(MCV)や、敵のミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を県外から民間船舶で搬入する計画もあった。

 民間地域で武器を輸送することへの県民からの反発を懸念して、中城湾港での搬入は取りやめたものの、自衛隊機でMCV1両を那覇基地に運び込むことになった。PAC3の搬入は未定。

 キーン・ソードは、ほぼ2年に一度実施する日米最大規模の実動演習。今回は自衛隊約2万6千人、米軍約1万人を動員。オーストラリア軍とカナダ軍、英軍も米軍指揮下の部隊として参加する。

 防衛省によると、武力攻撃かどうか判別が困難な「グレーゾーン事態」から武力攻撃事態(有事)に至るまで想定し、日米の共同対処などを訓練する。

 県内では、浦添市の米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)に日米共同の後方拠点を設けるほか、北大東村の沖大東島射爆撃場では自衛隊と米軍が精密誘導爆弾や艦砲、ロケット弾など実弾を射撃する。
  (明真南斗)