【全文】両陛下が初の沖縄訪問に感じたこととは 感想全文を宮内庁が公表


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 天皇、皇后両陛下が即位後初の沖縄県訪問について、宮内庁を通じて22日に公表された感想全文は次の通り。


 

沖縄戦犠牲者の名前が刻まれた「平和の礎」を訪問された天皇、皇后両陛下=22日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園(代表撮影)

 美ら島おきなわ文化祭2022に出席のため、単独では12年ぶりに、また2人そろってでは25年ぶりに沖縄県を訪れることができたことをうれしく思います。

 戦没者墓苑については、わが国で唯一の激しい地上戦が行われた沖縄の人々の苦難を思い、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りしました。その後、ご遺族の方々のお話を直接うかがい、それぞれの方の悲しみとご苦労を思いました。

 平和の礎については、地域や国籍を問わず、沖縄戦で亡くなられた全ての人々の名前を刻み、今も毎年、新たな名前が刻まれていることに感慨を新たにしました。そして、静かに燃える平和の火の前に立ち、青く広がる太平洋を望みながら、沖縄戦の悲惨さや私たちが現在、享受している平和のありがたさを思い、改めて平和の大切さを心に刻みました。

 平和祈念資料館については、凄惨(せいさん)な沖縄戦の様子や当時の人々の苦難がよく分かりました。こうした資料を収集し、後世に伝えようとしてきた方々の努力にも敬意を表したいと思います。また、このあたり一体が平和を祈念する公園として、美しく整備されてきていることにも感銘を受けました。

 玉城知事からの県勢の概要については、沖縄県の現在取り組んでいる諸施策について、理解を深めることができました。

 ホテルにおけるご懇談等については、沖縄復帰50周年の記念式典に出席された方々とお会いし、それぞれの方の思いや経験を直接うかがうことができ、うれしく思いました。また以前、平成28年、東宮御所に来てくれた豆記者の皆さんと再会でき、皆さんが立派に成長されていることをとてもうれしく思いました。

 本年は沖縄の本土復帰から50周年ということもあり、沖縄復帰50周年記念式典、東京国立博物館や国立公文書館での特別展など、沖縄の歴史や文化に接する機会がありました。今回、沖縄県を実際に訪れることで、理解をより深めることができればと思っています。

 明日の美ら島おきなわ文化祭2022の開会式、オープニングフェスティバルを楽しみにしています。新型コロナウイルスの感染症防止対策に気を配りながら、準備してこられた多くの関係者、私たちを温かく迎えていただいた多くの県民の皆さんに心から感謝いたします。

(共同通信)


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