国側、訴えの却下求める 新基地設計変更巡る辺野古住民の抗告訴訟、那覇地裁で初弁論


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第1回口頭弁論の事前集会後、那覇地裁に向かう原告ら=25日午後、那覇市

 名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う設計変更申請を県が不承認とした処分を国土交通相が取り消した裁決を巡り、辺野古周辺の住民ら20人が不承認の効力を回復させるために起こした抗告訴訟の第1回口頭弁論が25日、那覇地裁で開かれた。国側は「設計変更は原告らの個別の権利利益に全く関係しない」などとして、いずれも原告になる資格がないと主張し、訴えを却下するよう求めた。

 新基地を完成させるためには、防衛省沖縄防衛局による設計変更申請に対する沖縄県の承認が必要。県は昨年11月、軟弱地盤の調査が不十分であることなどを挙げ、不承認としたが、国交相はことし4月、県の不承認を取り消す裁決をした。

 原告は辺野古・大浦湾周辺の住民ら。居住は名護市外だが、ダイビングショップを経営し、大浦湾でエコツーリズムを行っている人も加わった。住民が原告となることで、基地が完成した場合の生活への影響なども踏まえ、実体審理を迫る。

 訴状では、設計変更申請は、軟弱地盤の改良工事が実施可能か明らかではなく「地震時の安定性を照査していない」など、公有水面埋立法の要件を満たしていないと指摘。工期が長期かつ不確実で、普天間飛行場の危険性の早期除去につながらず、埋め立ての必要性も失われているとした。県による不承認処分は適法だとし「国交相裁決は裁量権を逸脱・乱用し違法だ」とした。