世界の親戚、見つけた! 沖縄県系移民データ、3カ月で8000人利用 県立図書館が公開


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親戚関係にあることが分かったボリビア県系2世の知念ルイス一男さん(左)と県立図書館の宮城威館長=24日、那覇市の県立図書館

 沖縄県立図書館(宮城威館長)は1900~37年の間に、世界各国に渡った県出身者約5万人の渡航記録をまとめた「沖縄県系移民渡航記録データベース」を公開中だ。7月の開設以降、国内外の約8千人が利用し、親戚が見つかるケースも出ている。同館はデータベースとは別にルーツ調査も実施している。世界のウチナーンチュ大会開催で関心も高く、依頼は急増中だ。調査結果を踏まえて「親戚に会いたい」「墓参りがしたい」といった要望に応えるため、同館は公民館などにも協力を働きかけている。

 データベースは県立図書館とハワイ沖縄系図研究会、沖縄移民センターが共同開発した。県出身者の渡航先と氏名、年齢(出生年)、本籍地、戸籍主、旅券発行日などを日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語で検索ができる。分散していた紙資料を多言語化し、データベースに一括保存することでルーツ調査がしやすくなった。

 14日には県立図書館で、JICA沖縄研修員のルーツ調査結果の報告会が開かれ、ボリビア県系2世の知念ルイス一男さん(47)が宮城館長(59)と親戚関係にあることが判明した。

 本紙の取材で24日、図書館で再会した2人は家系図を付き合わせ、互いに集めた情報を交換した。知念さんは「自分はどこから来たのか、いつも考えていた。JICAの研修で沖縄の歴史も分かり、また遊びに来たい」とうれしそうだった。

 宮城館長は「仕事でルーツ調査に関わることはあっても、自分には関係のない話だと思っていた。海外につながっている人がいると知り、訪ねてみたくなった」と期待に胸を膨らませた。

 世界のウチナーンチュ大会では10月31日、11月1日、同3日、会場の沖縄セルラーパーク那覇にルーツ調査のブースを設置する。1世の名前が分からなくても、屋号や名乗り頭が調査の決め手になることもあるという。

 データベースへのアクセスは、http://opl.okinawan-migration.com/main.php
 (比嘉璃子)