【国頭】昨年9月に閉店した国頭村浜の「浜共同店」が、個人経営の形で今月1日、リニューアルオープンした。店主の山城吉秀さん(65)は「買い物支援だけでなく区民が憩い、区の情報を発信する拠点にしたい」と意気込む。
浜共同店は1921年設立。戦時中に自然解散したが50年に営業再開。2006年から5年間の閉店期間を経て11年に再開したが、昨年9月に閉店していた。
閉店後、区内にはコンビニエンスストア以外に店がなく、高齢者らは知人の車で村内や名護市の店に出掛けたり、週1回の移動販売車を利用したりして、しのいできたという。
区出身で県内の広告会社を5月に定年退職した山城さんはそうした状況を知り、「おじいおばあが困っている。幼い頃から遊び場だった共同店が途絶えるのも寂しい」と店主募集に手を挙げた。
再開後、利用者は少しずつ増えている。初来店した女性(88)は店内を見て回り「申し分ないよ。これまでは家族に買い物を頼んでたけど、自分で選べるのはやっぱりいい」と笑顔。「頑張りなさいよ」と山城さんを激励した。
店の一角には区の写真展示コーナーも設置。今後は区のTシャツ作成やバーベキュー用品貸し出しも手掛けたいという。
金城安利区長(66)は「長く続くよう無理せず頑張ってほしい」と語った。
(岩切美穂)