
サッカーの第101回全国高校選手権県大会は30日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで準決勝を行った。那覇西が7―3で名護を破り、西原はPK戦の末に八重山商工に競り勝って決勝に進出した。決勝は11月5日午後1時5分から同スタジアムで行われる。優勝校は全国選手権(12月28日~2023年1月9日、東京ほか)に県代表として出場する。
前半5分で2失点した那覇西だったが、イレブンはは冷静だった。外間達也主将は「自分たちのやってきたことを信じていた」と揺るぎない自信を胸に、プレーに集中した。
失点以降は自在にパスサッカーを展開し、サイドを広く使って主導権を握った。右フォワードの山川輝は生き生きとサイドを駆け上がり、攻めの起点となった。前半で同点に追い付くと後半7分、中央でボールを受けた石川桔平がフェイントでDFをかわし、狙いすました正確な逆転弾をゴール右へ突き刺した。
森大祐は頭で2得点し勝利に貢献。後半途中出場ながら違和感なくゲームに溶けこんだ。夏の県総体では調子を落としメンバー外だった。Aチームに戻ったが出場機会が少なく「チームが勝利しても、素直に喜べない自分がいた。うれしさの中に悔しさがあった」と明かす。その思いを晴らすファインゴールだった。
課題もある。守備のミスからの失点が多く、後半もボールを下げる回数が多くなったことで危機を招いた。中盤を担う石川は「後半は後ろ向きになってしまった。少しのミスが命取りになる」と決勝に向けて修正を誓う。
(大城三太)
西原 点の取り合い PK戦で決着

西原と八重山商工との準決勝はPK戦にもつれる大接戦となった。西原の2年生GK、180センチの安里大司が横っ飛びで3人目と最後の6人目を阻み決着を付けた。「最初の失点は自分のミス。出場できなかった3年生のためにも自分で止めて勝ちたかった」と挽回のプレーで仲間と歓喜した。
西原は先制点こそ奪われたが次第にペースを握り、前半で同点とした。後半に入っても押し気味にゲームを展開し2―1と逆転に成功した。しかし、前線の選手が孤立した状態のままパスを託す場面もあり、カウンターから徐々に流れを引き渡して追い付かれた。
延長前半に失点をして、延長後半残り2分。2―3の場面で起死回生の同点弾を頭で決めたのは、頼れるエースの比嘉琥生だった。残り時間が少ない中で「ボールが来ると信じていた」と、土壇場でチームに光明をもたらす貴重な1点を挙げた。この日2得点、大会を通して7点を奪ってチームを決勝に押し上げた。
上田ゆん主将は「苦しかったが『走る力』はどのチームにも負けない自信があった」と積み上げてきた努力を誇った。那覇西との決勝は「前からのハイプレスで、チーム一丸で勝ちにいく」と闘志を燃やした。
(大城三太)