竹富町発注の工事を巡る汚職事件で、業者側に入札情報を漏らし、見返りに現金計1700万円を受け取ったとして、加重収賄や官製談合防止法違反、公競売入札妨害の罪に問われ、一審で懲役3年6月、追徴金1700万円の実刑判決を受けた前竹富町長の西大舛高旬被告(74)の控訴審初公判が31日、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)で開かれた。弁護側は一審の量刑が重すぎるとして、執行猶予付き判決を求め、検察側は控訴棄却を主張した。即日結審し、判決は11月28日。
西大舛被告は一審で起訴内容を認め、弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。一審判決は「現職町長の立場を悪用して犯行を繰り返した刑事責任は重く、実刑判決は免れない」とした。
一審判決によると、西大舛被告は2017年に町が入札を行った海底送水管更新工事で、最低制限価格を業者側に漏らし、職務上の不正行為への謝礼と知りながら1千万円を受け取り、20年に入札があった工事についても計700万円を受け取るなどした。
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