「地域新電力」を軸に経済発展へ 与那原町の脱炭素先行地域選定、住民や企業にも経済効果


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太陽光発電(イメージ)

 脱炭素先行地域に沖縄県内から初めて与那原町が選定されたことを受け、関係者からは脱炭素化とともに「地域新電力」を軸とした町経済の好循環、事業展開に伴う技術・人材の集積による地元企業の競争力強化などに期待する声が上がった。

 選定を受けて記者会見を開いた照屋勉町長は「地域新電力を育成、産業を創出して事業の収益を町の課題解決、経済強化につなげる取り組みにしたい」と意気込んだ。

 町と計画を共同提案した与那原脱炭素地域づくりコンソーシアムの幹事社、おきなわパワーHDの磯部達代表は「(環境に優しい町を目指す)『よなばる綱がるプロジェクト』などを通じ、住民や知念高校生徒、沖縄女子短期大学学生を巻き込んで議論を深めてきた」と説明。「住民、企業と一緒に町を活性化したい」と抱負を語った。

 全住民参加を掲げる計画に、東浜自治会の國仲健次会長は「太陽光パネル設置などに区民も協力していくことを評議委員会で決めた」と説明。「町が積極的に動いている。区としても脱炭素に向けたまちづくりに参加したい」と歓迎した。

 環境省沖縄奄美自然環境事務所地域脱炭素創生室の白土太一企画官は「よなばる綱がる―」などを挙げ「住民力の強さが与那原の特長だ」と指摘。太陽光発電による自家消費率を上げることで住民は電気代が下がり、設備貸与による使用料・点検料などで事業者は収益が上がる仕組みを説明し「脱炭素だけではなく地域で電力、経済が循環する輪を太くすることができる」と意義を強調した。

(金城実倫、安里周悟)


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