名護が20度目のV ぶつかり合い、当たり負けせず「FW陣の力伸びた」 高校ラグビー沖縄県予選


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 名護市の21世紀の森サッカー・ラグビー場で4日に行われたラグビーの第102回全国高校大会沖縄県予選決勝は、名護が20―5でコザを下して2年ぶり20度目の頂点に立った。名護は前半立ち上がりからコートをワイドに使って攻め、8―0で折り返した。後半はコザに迫られる場面もあったが、当たりの強さを生かして引き離した。大阪府東大阪市花園ラグビー場で12月27日に開幕する全国大会は51チームが出場する。組み合わせ抽選会は12月3日。


 名護が王者に返り咲いた。昨年は準決勝で読谷に敗れ、花園への出場を逃していた。比嘉礼主将は「この1年間でFW陣の力が伸びた。あの悔しさがあったからこそ優勝できた」と実感を込めた。
 

名護―コザ 後半34分、ゴール前のスクラムから抜けだしトライを決めた名護の比嘉琉玖=4日、名護市の21世紀の森サッカー・ラグビー場(謝花史哲撮影)

 後半、終了間際にスクラムから比嘉琉玖が右サイドへと抜け出し、トライ。「スペースはなかったが、守りが薄かった」と状況判断がさえ、点差を広げた。

 田仲祐矢監督は「1年間こだわってやってきたのは、接触プレーやぶつかり合いで当たり負けしないこと。選手はそれを体現してくれた」と評価した。

 課題も見つかった。パス回しでサイドに展開して揺さぶりをかけたが、キャッチしようとしたボールを落とす「ノックオン」も目立ち、ボールが手につかない印象を与えた。チームの柱となる具志堅亜郎は「ミスも多かった。ほとんどはノックオンだが、ラインアウトからボールを投げ入れる時の反則なども修正していかないといけない」と気持ちを引き締め直していた。

 比嘉礼主将は「まだ未熟なチームだけど、逆に伸びしろがあると捉え、花園では8強入りを目指したい」と話し、残り期間でさらなる技術向上を誓った。

(大城三太)


喜久本「点取りたかった」 コザ、一矢報いるトライ
 

名護―コザ 後半、ゴールに向かって突進するコザの金城大悟(右下)=4日、名護市21世紀の森サッカー・ラグビー場(大城三太撮影)

 後半8分、コザのFB金城大悟が前戦で守備の2人を抜き、パントキックで一気に敵陣深くに食い込んだ。そのままボールを保持し、ラックからNo.8喜久本志のトライにつながった。喜久本は「とにかく点が取りたかった」と一矢報いた。

 前半は先行されたが、持ち味の低いタックルでミスを誘い敵陣に何度も攻め入った。そのまま後半の立ち上がりも自分たちの時間帯をつくった。しかし中盤以降は、体格に勝る名護の圧力を止められなかった。具志堅太一主将は「前半は体格に負けない守りができたのは良かったが、届かず悔しい」と唇をかみ、「コザらしい、しつこい守備で今度は打ち勝ってほしい」と後輩にバトンを渡した。2年の金城は「悔しさを糧に一から力を伸ばしていきたい」と雪辱を誓った。

(謝花史哲)