県自然保護課と宮古野鳥の会は1日、タカ科の渡り鳥「サシバ」の飛来数が2022年は8219羽だったと発表した。前年より1375羽増えたが、減少傾向は依然続いている。宮古野鳥の会の仲地邦博会長は渡りの中継地・伊良部島、下地島でサシバが休息できるような森林を増やすなどの対策を呼び掛けた。
調査は1973年から始まり50回の節目。22年は10月8~21日、伊良部地区津波避難施設の屋上で行われ、野鳥の会4人、県自然保護課2人のほか、宮古島市立伊良部小・中の児童・生徒30人、県立宮古高の生徒4人らが参加した。飛来数が最も多かった日は11日の2008羽、最も多かった時間は午後4~5時の2924羽だった。
飛来数の年平均は70年代3万6100羽、80年代3万6千羽と安定していたが、90年代2万2600羽、2000年代1万6800羽、10年代1万3400羽と3分の1近くまで減少。21、22年は連続して1万羽を割っている。
仲地会長は減少傾向の原因について、「渡りの中継地である伊良部、下地をはじめとする宮古で、サシバが休息できる森林が大きく減っている」と指摘した。
(安里周悟)