【一覧表付き】日米統合演習、沖縄では島しょ作戦を織り込んだ訓練


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 10日から本格的に始まる自衛隊と米軍の共同統合演習「キーン・ソード」は日本全国で実施され、特に沖縄を含む南西諸島では島しょ作戦を織り込んだ大規模訓練が計画される。県内各地で機動戦闘車の輸送や地対艦ミサイルの展開訓練、共同での実弾射撃訓練などが予定されている。

 自衛隊は17、18の両日、福岡県の築城基地から与那国空港へ航空自衛隊C2輸送機で輸送訓練を実施、105ミリ砲を搭載する16式機動戦闘車を運び込む方向だ。与那国駐屯地には海兵隊と自衛隊が現場で認識共有を図る連絡調整所を設ける。

 米軍那覇港湾施設(那覇軍港)と米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)は一体的に日米共同の後方拠点と見立てる。米陸軍揚陸艇(LCU)から軍港に陸揚げしたコンテナを日米でキンザーに運び込む。

 米軍の嘉手納基地と東京都の横田基地では米空軍輸送機C17で自衛隊の中距離地対空ミサイルやトラックを輸送する。

 米軍普天間飛行場とキャンプ瑞慶覧海軍病院、自衛隊那覇病院は医療拠点となり、13~17日に患者輸送訓練を行う。米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイで自衛隊の負傷者を鹿児島県奄美駐屯地から普天間へ、自衛隊ヘリは米軍の負傷者を那覇基地へ運ぶ。

 知念分屯地では、自衛隊が車載型ネットワーク電子戦システム(NEWS)を使って統合電磁波作戦を訓練する。四国沖で予定される日米共同の対艦攻撃訓練などと連携予定だ。北大東村の沖大東島射爆撃場には日米が戦闘機や護衛艦、ヘリから実弾を撃ち込む。

 各基地の警備訓練では空包を使うか、夜間まで及ぶ場合があるという。

 鹿児島県の奄美大島では自衛隊の地対艦誘導弾と米軍の高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)を展開する。徳之島では、南西諸島で初めて日米のオスプレイが連携して訓練する。

(明真南斗)

 


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