【動画あり】日米演習開始 沖縄・中城湾港から公道へ 自衛隊73車両、陸揚げ


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中城湾港に並んだ自衛隊の車両=8日午前10時40分(小川昌宏撮影)

 沖縄を含む全国各地で実施される日米共同統合演習「キーン・ソード23」に向けて、防衛省統合幕僚監部は8日、チャーターした民間船舶(PFI船)で、中城湾港に車両などの装備品と隊員らを運び込んだ。中城湾港では訓練に反対する市民らが抗議の声を上げた。県内に運ばれた車両は、国道58号など一般道を使い、陸自那覇駐屯地などへ移動する様子が確認された。

 防衛省は10~19日の日程で実施される演習の「事前輸送」と位置付けているが、PFI船舶による輸送は演習の一部に組み込まれており、事実上、民間港湾を使った訓練が県内で始まった形となる。

 防衛省がチャーターした船「はくおう」は、鹿児島港で隊員や車両などを登載したとみられ、名瀬港(奄美大島)を経て8日午前9時過ぎに中城湾港の西埠頭(ふとう)に接岸した。その後、県内での訓練に使用する車両が次々と陸揚げされた。関係者によると、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に関連した車両も運搬された。今回の事前輸送を皮切りに、県内ではさまざまな訓練が実施される。

 防衛省の計画によると、今回事前輸送された部隊は陸自西部方面隊、空自航空総隊で県内には車両73台、隊員191人が運び込まれた。そのうち、陸自西部方面隊は那覇駐屯地などで、米軍と共同で日米共同連絡調整所の設置や補給訓練などを実施する。

 八重瀬分屯地、南与座分屯地では東北方面隊などによって、地対艦ミサイルシステム(SSM)の展開など実戦を想定した訓練を実施する。

(池田哲平、明真南斗)


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