「第二の沖縄戦」を危惧 港の使用許可で県を批判 日米共同演習の中止を要求 ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会


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日米共同統合演習「キーン・ソード23」の中止を求める緊急声明について説明する共同代表の(右から)ダグラス・ラミス氏、具志堅隆松氏、山城博治氏、宮城晴美氏、石原昌家氏=9日、県庁の県政記者クラブ

 ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会の共同代表を務める石原昌家、具志堅隆松、ダグラス・ラミス、宮城晴美、山城博治の5氏は9日、沖縄県庁の県政記者クラブで会見し、日米共同統合演習「キーン・ソード23」に抗議し、中止を要求する緊急声明を発表した。「『第二の沖縄戦』が目前に迫っている」と危惧し、中城湾港や与那国空港の使用を許可した県の対応も厳しく批判した。

 声明は、訓練が中国の武力攻撃事態を想定し、台湾有事に日米が共同対処する「『戦争準備』演習にほかならない」と指摘した。

 防衛省や米軍がミサイルの開発、強化を進めている動きを踏まえ、「中国との戦争が現実となれば、沖縄・南西諸島のミサイル戦場化を免れない。迎撃不能なミサイルを双方(日米と中国)が撃ち合う相互破滅の戦争になることは目に見えている」と、危機感を示した。

 演習に伴う港湾、空港の使用を許可した県の対応を「強い憤りをぬぐえない」と強く批判し、玉城デニー知事に対しては「県民の代表、県民の命を守る県行政の責任者として、演習に反対を表明すべきだ」と求めた。

 山城氏は「戦争に反対すると、ネットでは『中国が攻めてきたらどうするんだ』という話でいっぱいになる。沖縄に全てを押し付け、自分たちはアメリカに守られた平和を享受するシステムができあがっているようで怖くなる。77年前の捨て石作戦がまた実行されるのかと、恐怖を感じる」と話した。 

(稲福政俊)