「結果出す喜び、大きい」 パラアスリート上与那原さんがリハビリ重ねて見えてきたこと きょう介護の日


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介護の経験を語る上与那原寛和さん=9日、那覇市の県総合福祉センター

 11日の「介護の日」に合わせて、介護に対する理解を深める講演会(県社会福祉協議会 介護実習・普及センター)が9日、那覇市の県総合福祉センターで開かれた。「介護、出会い、これから」と題し、パラアスリートの上与那原寛和さんが講演した。

 上与那原さんは交通事故で脊髄を損傷した。腕は肘より下、体は首から下がまひした。介護を受けた側からの視点で、経験を振り返った。

 事故後すぐは寝たきりの状態。少しずつ回復したが入院中は大変なリハビリが続いた。看護師や理学療法士と衝突することもあった。しかし「話しながらやっていくうちに体に変化が出てきた」と振り返る。

 車いすを使い自分1人で行動できるまで回復した。リハビリも兼ねて見学に行った車いす陸上のクラブで「かっこいい」と衝撃を受けた。初出場した車いすマラソンで優勝を飾る。その後実績を積み、2008年のパラリンピックに出場。フルマラソンで銀メダルを獲得した。20年の東京パラリンピックでは400メートルと1500メートルで銅メダルを獲得した。

 介護の日々を乗り越え、競技を長い間続けてきた。「9割はつらく苦しかったが、結果を出せた時の喜びは大きい。いろんな人の支えが詰まって取れたメダルだ」と感謝の思いを語った。
 (金盛文香)