沖縄の地銀3行純益、86%増 中間決算 コロナ前超え91億円


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 県内地銀グループ3社(琉球銀行、おきなわフィナンシャルグループ=OFG、沖縄海邦銀行)の2023年3月期中間決算(22年4月~9月)が11日、出そろった。3社合計の連結純利益は前年同期比86%増の91億7600万円となり、新型コロナウイルス禍前の18年、19年の中間決算を上回った。貸し倒れに備えて積み立てておく与信コストの減少や経費節減、貸し出しの収益低迷を補う手数料ビジネスの成長が増益に寄与した。

 与信コスト減少寄与

 純利益の合計は、3社が5月に発表した当初予想(計54億8千万円)を大きく上回った。売上高に当たる経常収益は同3・4%増の625億5400万円、経常利益は同52・1%増の125億9200万円だった。本業のもうけを示すコア業務純益も同10・5%増の93億4900万円と伸びた。

 コロナ禍に入り、3社とも融資の回収ができなくなる場合に備えて貸倒引当金を積み増したことが、収益の減少に直結してきた。今回の中間決算では県内経済が回復基調にあることを背景に、引当金を取り崩す動きが相次いだ。

 3社の与信コスト合計は前年同期に比べ34億1900万円減少し、戻し入れ益が利益を押し上げた。

 業務効率化などにより、3社とも営業経費が前年同期比を下回った。合計の経常費用は前年同期比で22億7600万円(4・4%)減ったことも、増益に貢献した。
 (當山幸都)