【記者解説】沖縄の深刻な教員不足に対応 採用試験59歳に引き上げ 働き方改革も急務


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 沖縄県の教員の定年退職年齢は、現在60歳。今後65歳まで段階的に定年延長が進められる。採用試験受験年齢の引き上げは、年齢に制限されない、意欲的で優秀な人材の確保に期待が持てる。

 沖縄は教諭のなり手不足が深刻化していて、9月当初で94人の教員が不足、学級担任は小中学校で52人足りていなかった。教員採用試験の志願者数も、2018年度から約千人減少している。

 その一方で、採用試験の競争倍率は他県に比べてかなり高い。21年度採用の中学校教員の競争率は、他都道府県・市と比べ唯一10倍を超える13・7倍だった。45歳まで合格がかなわず、それでも教育現場で働くことに意欲的な人や、経験を積んできた臨時・非常勤教員らに再び受験の機会が与えられることは、教育の質向上が期待される。

 年齢だけでなく、一部試験免除の資格要件も緩和され、今後採用試験の志願者数は増加が見込まれる。一方で、労働環境の改善がなされなければ離職者、休職者は減らない。引き続き長時間労働の解消など教員の働き方改革が求められる。
 (嘉数陽)