【記者解説】うるま市長に求められる説明責任 米軍パラシュート降下訓練巡る立場の転換


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航空機からパラシュートで降下する米兵=10日午後1時16分、うるま市の津堅島訓練場水域

 中村正人うるま市長が、津堅島訓練場水域での米軍パラシュート降下訓練について、賛否を明言しない立場に転換した。市長は市議時代は抗議決議に加わり、市長就任後も市議会の答弁で反対する立場を示していた。漁業関係者の反対にもかかわらず翻意したことは、地元への説明責任や市政の一貫性が問われる。

 同水域では漁船が日常的に航行し、安全上の理由から地元漁協は反対してきた。過去には米兵が訓練水域外や漁船近くに着水したこともあった。20年は過去最多の訓練回数を記録したが、市長から方針転換について地元への説明はなかった。

 市長は「賛成か反対か市長になってから一度も言っていない」と話した。だが昨年の6月市議会では訓練に反対していた。市によると、市は昨年4月と5月、8月に口頭で沖縄防衛局に中止要請を出している。市政の一貫性も疑問視される。
 (古川峻)