芸歴30年俳優・犬養憲子さんインタビュー「沖縄の質高い演劇を知ってほしい」


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俳優の犬養憲子=那覇市泉崎の琉球新報社(又吉康秀撮影)

 映画や舞台などで活躍する俳優の犬養憲子芸歴30周年記念公演「ホントに?」(西田シャトナー作、田原雅之演出)が10月15、16の両日、沖縄市民小劇場あしびなーで上演された。キャストは犬養、ジョーイ大鵞、与那嶺圭一、岩田勇人。各劇団の役者に声をかけ、演劇空間「大地」時代から旧知の田原を演出に立てた。コミカルな演技に会場は笑いに包まれた。

 犬養は1993年沖縄国際大学卒業後、演劇空間「大地」(照屋京子主宰)に入団し演劇の道に進んだ。2004年には「大地」所属の仲程千秋と現代演劇のユニット演劇きかく「満福中枢」を立ち上げ、現在は「芝居屋いぬかい」として活動する。

 犬養は作品を上演しながら、琉球舞踊や組踊といった舞台の音響技術者としても裏方に携わった。「役者をやっているから、役者のほしい所に音が入る。芝居の『きっかけ』をつくるのが上手と褒められたことはうれしかった。周りの環境も恵まれていて、続けてこられた」と振り返る。

 11年から最強の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT(インディペンデント)」に関わり、沖縄版の主催者として、開催。「一人芝居をやることで、大人数で演じるありがたさも知れたし、相手役のせりふも心から本気で聞こうとする心ができた」と語る。

 犬養は「演劇を続けているのは、一番は自分がやりたいから。沖縄にも、質の高くて面白い現代演劇があるいうことを知ってほしい」と語る。「本当の30周年は来年。(犬養の一人芝居作品)『楽屋から』と『くいくがりのなみだ』はどこに行っても、沖縄を紹介できる最強の作品。この2本を持ってできたらいいな」と笑顔を見せた。

(田中芳)