赤嶺守氏「傑出同窓」に 台湾大学、初の外国人表彰 「感激もひとしお」


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台湾大学の「傑出同窓」として選出された琉球大学名誉教授の赤嶺守さん(左)を表彰する台湾大学の管中閔校長=15日、台北市(提供)

 琉球大学名誉教授で、現名桜大学大学院の赤嶺守特任教授(68)はこのほど、優れた業績を残した台湾大学の卒業生に送られる「傑出同窓」に選出された。初の外国人受賞となった。約30年かけ琉球王国の外交文書「歴代宝案」編集事業の推進や、関連する北京の中国第一歴史档案館、台北の故宮博物院収蔵の琉球関係史料の出版刊行などに尽力し評価された。赤嶺教授は「これまで国内の受賞経験はいくつかあるが、今回は琉球王国関連史料の刊行や、これまで築いてきた研究が国際的に評価された賞なので感激もひとしおだ」と述べた。表彰式は15日、台湾大学で行われた。

 赤嶺教授は1991年6月に台湾大学博士課程を卒業し、これまで琉球帰属問題や「歴代宝案」などの中琉関係史を専攻してきた。

 89年から2022年にかけて、約30年間県が進める琉球王国の外交文書の校訂本・訳注本各15冊を編集刊行する「歴代宝案編集事業」を推進してきたほか、台湾大学収蔵の琉球王国関連史料を「琉球関係史料集成」として刊行したことの功績も評価された。

 台湾大学のホームページによると06年から毎年人文芸術や商工などの分野から「傑出同窓」を選出しており、これまで130人以上を表彰した。

(呉俐君)