「妖怪はいるんだな」希少種や妖怪がすむ自然、守るには? 奄美と屋久島、やんばるの児童らがオンライン交流 国頭・奥間小


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奄美、屋久島の小学生とオンラインで交流する奥間小6年生の児童ら=14日、国頭村の同校

 【国頭】世界自然遺産に登録された国頭村の奥間小学校の児童が14日、鹿児島県奄美大島の阿室小学校、屋久島の八幡小学校の児童とオンライン交流した。希少生物の交通事故死(ロードキル)問題や地域に伝わる妖怪など、互いの自然や社会課題、文化を教え合った。

 自然遺産登録地の児童が互いの共通点や違いを知り、自然保護を共に考え行動する目的。2021年度から交流する阿室小、八幡小に今回、奥間小の3、6年生計33人が加わった。

 交流では阿室小の児童が、アマミノクロウサギのロードキルが増えていることや、奄美に伝わる妖怪ケンムンなどについて報告。八幡小からは、ヤクシカの増殖による農作物の食害や、「げじべえ」や天狗といった妖怪が紹介された。

 両校のやり取りを視聴した奥間小の児童も、次回はやんばるの妖怪などについて教えることを約束した。6年の島袋愛羽来さん(11)は「奄美や屋久島の絶滅危惧種を知った。妖怪についてのスライドや住民インタビューを見て『いるんだな』と感じ面白かった」と話した。

 奥間小と両校の間を取り持った琉球大国際地域創造学部の大島順子准教授は「環境省や村も関わり、ロードキルや赤土流出といった社会課題の解決に子どもと大人が一緒に取り組めるといい」と展望を語った。次回は3学期に交流予定だ。
 (岩切美穂)