東京都の多摩地域の水道水に使われていた井戸水から有害な有機フッ素化合物「PFAS」が検出されたとして、市民団体「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」は23日、立川市で記者会見し、住民の血液検査を始めたと発表した。原因究明や汚染源の特定が目的で、18歳以上の参加者を募っている。
PFASは米軍の泡消火剤に含まれ、神奈川県や沖縄県では米軍基地周辺の水道水源や排水などから検出された。会によると、多摩地域でも米軍横田基地が原因との見方もあるが、検出場所が離れていたり、地下水脈が入り組んでいたりするため、因果関係は不明で、汚染源特定には血液検査が不可欠と判断した。
PFASは有機フッ素化合物の総称。都によると、このうちPFOAやPFOSが2005年度以降、多摩地域の一部の井戸から高濃度で検出され、国分寺、府中の各市などで取水を停止した浄水施設もある。都の担当者は「原因は不明だが現在の水道水の水質に問題ない」と説明し、地下水の調査を進めている。
会の根木山幸夫さん(75)は記者会見で「多摩地域では基本的に地下水を使っている。検査で今後必要な対策を明らかにし、国や都に原因調査や汚染除去を求めていきたい」と話した。
(共同通信)